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2007年 01月 20日 ( 1 )


NHK朝の連ドラ、「芋たこなんきん」の原作である本書。

楽天少女通ります (田辺聖子 著 角川春樹事務所 660円)
(Amazonには画像がないので今日は楽天)


この本は、著者の半生をエッセイ風にまとめたものです。
田辺聖子さんは、昭和3年、大阪生まれ。
青春時代はまさに戦時中で、いっぱしの軍国少女だったとか。
多感な時期に、
軍事統制と敗戦という「価値観のコペルニクス的転回」を経験し、
日本がどん底から這い上がる、その過程を、
一人の少女の目と心を通して書き綴っておられます。

これがかなり面白い。
舞台が大阪ということで、当時の大阪人気質がよく分かります。
見栄っ張りだけど情にもろくて世話好き、話好き。
終戦後の高度経済成長時代、金物屋に勤めていたエピソードから、
「お互い笑って取引をする」という大阪商人の心意気が伝わってきました(笑)
かかってきた間違い電話を、けんもほろろに切ってしまう事務員に、
店の社長が言ったのは、「間違い電話だろうが、最後はきっちり笑わせなはれ」
おお・・・吉本の源流ココにありき!!(笑)

戦火を逃れたからといってその教訓じみたことや、
オーバーで感傷的な著者のコメントなんてものは書いてありません。
読み進むにつけ、私が知らない戦中戦後の日本っていうのが想像され面白いです。
貧しいなりにも、「生きること」に全力を尽くした時代、
ある意味、何にもないから心は豊かだったのかもしれませんね。
昭和の初めから現代までの間に、
私たちが得たもの、そして失ったものが、この本を通して分かる気がします。

で、朝ドラの方ですが、
今週は、長女が思春期で、反抗し始めるというエピソードでした。
当時はベトナム戦争真っ最中で、
日本でも、若い学生を中心に、反体制デモや衝突が繰り返されていた頃。
17歳の長女もご他聞にもれずその運動に共感し、
反戦行動をし始めて親とぶつかる、というような流れでした。

私も記憶にありますが、
中学生の頃、戦争についての問題で、父と喧嘩しました(笑)
子供の頃は、親はいつでも正しい、と思ってる。
でも、思春期あたり、自分でも世の中の色々なことが見えてくる頃になると、
親の言ってることと、自分が考える「正しさ」にギャップがあることに気付く。
でも、まだまだ自分自身は無力で、社会に対して影響を持ち得ない・・・
自分が、すごく情けなく思えてくる。
社会で必要とされてない存在なんじゃないか、なんて考えてしまう。
そこに恋愛なんかも絡んできて、よけいに自分がみじめに思えてくるんですよね(笑)
人間の心の成長というのは、いつも危険をはらんでますね。

このドラマが、家族や人と人とのつながりを描いたものだから、
心当たりがある出来事に思わず苦笑してしまいます。
本を読んでいて、
本当に面白いストーリーは、自分の生活の中にあるんじゃないかな??
と思えてきます。

普通の人生が面白い!!
そう思って暮らしていくのも、力が抜けていいのかも(笑)
by nasuka99 | 2007-01-20 14:39 | books