人気ブログランキング |

モラルはどこへ行った

首相まで務めたことのある某有名代議士2名が、
国会の最中にダイエット議論に夢中になってしまい、
採決場面で野党の法案に思わず賛成してしまった・・・
というニュースを読んで、
大事な法律を決める国会でもこうなんだから、
学校の生徒に私語は止めろと言っても無理だよなぁ・・・などと
この国のモラルの低下をひそかに嘆いていたんですが、
ここしばらくそういう話がボロボロ出ますね。

まずは赤星選手が贈った車椅子がオークションに出てた話。
そして、ガイナックスの取締役がmixiで暴言はいて辞任した話。
BBSへの誹謗中傷の書き込みに、対策を怠ったとして訴訟を起こされた管理人とか。

どうも、「相手不在のコミュニケーション場面」で、
こういったモラルの低下が加速しているような気がします。
国会での私語の件にしても、
法律の対象となる一般国民は目の前にいないわけだし、
ネットの世界ではなおさらです。

自分が「いま」対峙している相手が、どんな人物なのかわからないとき、
その相手の立場や気持ちになるというのは、とても難しいですよね。
人間は、コミュニケーションをとりながら進化してきた動物で、
相手の表情や声色から今の気持ちや感情を読み取ることにはとても長けているらしいです。
言葉の使用はそれよりもっと後になりますから、
進化的に見ても、現在の私たちにとって「非言語」部分のコミュニケーションって、
とても重要だと思うんです。

相手がリアルだろうがテレビ画面の中にいようが、
目に見えるところにいる場合、ほとんど無意識に人間は相手のまねをします。
ドラマの中の人物が哀しそうにしているとこっちも哀しい顔になるし、
楽しそうだと、こっちもいつの間にか笑っています。
人間の脳には「ミラーニューロン」というのがあって、
実際に自分は行動を起こしてなくても、同じニューロンが反応することがわかっています。
そんな風にして、
相手の行動を自分の行動として置き換えながら、
相手の立場や気持ちを考えて、人間は行動するわけです。

だから、
相手の顔が見えないPC画面を目の前にして、
オンラインでコミュニケーションしている(であろう)相手の立場になって考えろ、
と言っても、これはなかなか難しいことなのかもしれません。
コミュニケーション相手の気持ちを害したり、迷惑をかけたとしても、
それを感じる相手の声も、表情もわからない世界ですから・・・

でも、だからこそもっとモラルを考えなければならないと思うんです。
日常生活でのモラルは直感的に持つことができますが、
ネットの世界では、表現の唯一の手段である「言語」を通して考えないと、と思います。
対面以上に言葉を選んだり、
自分が書き込んだ言葉たちが人に与える影響を想像しながらやりとりしないと。
もちろん、全ての人に気に入ってもらえる言葉は使えないかもしれないけど、
少なくとも、「場」を乱すような行為をしたくないし、されたくないですよね。

目の前にあるのは立った一台のパソコンで、たった一つの画面ですが、
そこを見ている人は、対面と比較できないくらい大勢いるわけですから。

代議士の私語も、赤星選手の車椅子も、
ちょっと想像力を広げれば、いかにモラルに反するかわかるのにね。
どんどん広がる「相手不在のコミュニケーション」、
人間の知性は、まだまだ追いついていないんですね。
by nasuka99 | 2007-04-30 09:15 | psychology