「仕事」の意味を見直す痛快エンターテイメント

TBSドラマ「半沢直樹」が好調のようです。
先週の視聴率は、なんと30%だったとか。
主演の堺雅人さんの、ちょっと毒のある演技もさることながら、
このドラマのキャッチコピー「やられたら倍返し!」に惹きつけられる視聴者が多いのではないでしょうか(笑)
かくいうワタクシもその一人で、
ああ、世の中こんな人ばかりなら、住みやすくなるだろうなぁ・・・
などと思いながら観ています(笑)
まぁ、現代版水戸黄門、と言ったところ??(笑)

ドラマも楽しいですが、コレ、原作がサイコーに面白いです。
著者の池井戸潤さんは、「空飛ぶタイヤ」などでもおなじみの社会派というか経済派作家。
ご自身も長年銀行マンだったという経歴を生かして、
組織の中に存在する矛盾を描き出しています。

私自身は、いわゆる会社員として働いたことがないので、
想像の域を出ないんですが、
それでも、あらゆる組織、特に規模の大きな組織の中には、
どこにも同じような問題があるんだろうなぁ・・・と感じながら読んでいます。

「正しいことを正しいという」「世間の常識と組織の常識を一致させる」
これが、主人公・半沢直樹の信念なんですが、
アタリマエのことなのに、それができないのが現実社会。
こと、政治の世界を見ていると、誰でも実感できると思います。

第一作目の「オレたちバブル入行組」と二作目の「オレたち花のバブル組」では、
自己保身と体面しか考えない銀行や企業の大物との攻防が描かれ、
半沢直樹が彼らを鮮やかに論破するシーンに、大いに溜飲が下がります(笑)
っていうか、
結局、何か隠し事をして身を守ろうとしている人の言うことって、
絶対に矛盾が混じってますよね。
だから、論破されてアタリマエなんですが、コレって、政治家の答弁でもよくあることですよね(笑)

三作目の「ロスジェネの逆襲」は、基本路線は同じなんですが、
前二作が主に銀行の内情を描いているのに対して、
こちらは、企業側の理念や、そこで働く人々の思いにもウェイトが置いてあります。

個人的には、この三作目がよかったです。
「ロスジェネ」というのは「ロスト・ジェネレーション」
つまり、バブル崩壊後の、いわゆる就職氷河期を体験した世代のこと。
彼らは、バブルでいい目をした世代のツケを背負わされた若者たち。
その若者たちの「逆襲」というのはいかなることなのか、読んでみればわかりますが、
この作品の中に描かれている世界は、
まさに私もその過渡期を体験しているので、他人事ではありません。
私が就職した頃は、世の中はバブルがはじける一歩手前の時代。
当時は大手ショッピングセンターに出店していましたが、
飛ぶようにモノが売れるのも見たし、
バブルでぶっ飛んでるのをあたかも自分たちの経営努力のように鼓舞する研修などにも参加したし、
一転して、一夜明けたら店がなくなってる(つまり、”夜逃げ”状態)ようなことも、
一度ならず体験しています。
零細会社ながらも、
一応法人として経営や接客にも携わる中で、
私個人も、常に「仕事とは何か」ということを考え続けているので、
ラストシーンで半沢直樹が部下に語る言葉は、
そのまま、自分自身への指南にも感じないことはない(笑)

というわけで、
面白いので、興味がある方は是非読んでみてください。
Amazonのリンクを貼っておきます。






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by nasuka99 | 2013-08-07 16:47 | books