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森の幼稚園

NHKのBSで「プラネットベイビーズ」というドキュメンタリーを放映しています。
世界の国々で(ほんの一部とは言え)、どんな子育てが行われているか紹介する番組です。
先進国から途上国まで、色々興味深い子育て風景があって、
なかなか含蓄のある内容になっています。

今朝紹介されていたのはデンマークのロラン島。
都市部からバスで15分ほど走った森の中が、幼稚園の舞台となります。
題して「森の中の幼稚園」
子供たちは、森の中で一日中過ごし、遊び、体験の中から学ぶということです。

興味深かったのは、
デンマークでは「幼稚園のカリキュラムでは読み書きなどを教えない」
と定められているというところ。
(幼稚園に入るのにお受験まである日本とはえらい違いです(笑)
子どもの自立と自己解決能力、積極的な態度、話し合うことなどが、
この国では一番重要視されてるということです。

森の中で、子どもたちは虫を捕り、ミミズを掘り出し、木を削って槍を作り、
図鑑で調べ、歌を歌い、ケンカをし、パンを焼き、動物を解体して食べます。
子どもが木槌やナイフを使ってたりするとなんだか危なそうですが、
こういうところから、手加減とか、何が危険かを学んでいくんでしょう。
多少怪我をしても、クレームをつけてくる親なんていないそうです。
(ここも日本とは大違いですね(笑)

よく考えてみると、
森の幼稚園でやってることって、
人間が生きるために必要な最低限のことではないでしょうか。
自然のしくみや環境を知り、道具を使って自分で作り、動植物の食べ方を覚え、
ケンカをしても、自分たち同士で解決する。
幼い頃身につけておくべきことは、
漢字や外国語や計算の仕方ではなくて、
こういうサバイバルな知識のような気がします。
ってか、
学問なんて、自然の仕組みを知りたいから始まったみたいなものですから、
自然の中で生きる力を身につける=勉強したくなる、ってことでしょうね。

「自分たちがいい社会を望むのなら、子ども時代の過ごし方を大切にすべきだ」
という、幼稚園の園長先生がおっしゃった言葉が印象に残っています。
実際、いい国を作ろうと思えば、いい子どもを育てることが一番なんですよね。

デンマークの幼稚園で行われているようなことを、
私たちは子ども時代に体験してきたと思います。
現代の子どもたちには、そんな機会が少なくなってしまってるのでは??
という気もします。
文科省の学力テストも、子ども手当ても、
なんだか当を得てない感じですよね。

もう1つ思ったこと。
都会で暮らす親世代の人たちが、自然回帰で田舎にU、Iターンし、
庭で家庭菜園を造ったりして暮らすパターンが目立つようになって来ました。
外国に限らず、日本でもそういう傾向はあると思いますが、
産業革命で土を離れてしまった人たちが、
やっぱり違うと再び土に戻ってくる・・・
なんだか、人間って、やっぱり土を離れては暮らせないんだなぁ・・・
なんて、つくづく思いましたよ。
by nasuka99 | 2010-08-04 14:46 | think