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自転車の安全鉄則

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自転車ツーキニストの疋田智さんの著書、
「自転車の安全鉄則」が朝日新書から発売されています。
(詳細は、こちらも作家の斎藤純さんのコラムに書いてありますので、どうぞ参考にしてください。)


疋田さんにしろ、斎藤さんにしろ、
自転車乗りの方の著書では、「楽しく乗る!」につながる「安全に乗る!」ことについて、
ページを割いていらっしゃいます。
口(筆)をすっぱくして力説しないといけないほど、
日本における自転車マナーというのは悪い、ということでしょうか(^_^;)

実際、悪いんですけどね~
今も、このエントリを書いてる最中、
道路の右側を全力で疾走する高校生ライダーを何人も見うけます。
近頃は暗くなるのも早いので、
「無灯火、右側走行」という自転車にも山ほど出くわします。
ひどい時は、その状態で数人が併走していたりします。
事故が起こらない方が不思議です。
実際、10年前と比較して、自転車が絡んだ事故は増加しているとのことです。
(※警視庁の統計参照)

マナーの悪い自転車ライダーたちももちろん認識を改めるべきですが、
この本では、「自転車を車道の邪魔モノ」と位置づけ、
それを車道から追い出そうとする(つまり歩道におしつけようとする)行政側の思惑が、
数々の混乱を招いているのだ、ということを指摘しています。
本の中で、自転車が左側通行を守った上で車道を走ることによって、
現在の事故件数がいかに減少するか、
統計と事例に基づいて論じられていますが、まったくそうだ!と思ってしまいます。
本の評価にもありますが、
行政関係、警察関係の方には特に読んでいただきたい本ですし、
中学生あたりからは、教科書のひとつに挙げてもいいのでは??と思います。

私は、もちろん休日サイクリングも楽しみますが、
それ以前に、いわゆる「自転車ツーキニスト」です。
私にとって自転車は、趣味とレジャーのためだけではなく、
日々の通勤の相棒なのです。
昨今の「ポタリング」ブームでスポーツ自転車に乗る人が増えたとはいえ、
実際、街を走る多くの自転車乗りは、
私のように通勤や通学に使っている人たちではないでしょうか。
更に言えば、現状は車で通勤している人たちも、
片道10キロくらいの距離なら、晴れた日だけでも自転車通勤にすれば、
一月の半分くらいのCO2削減になりますしね。
そのためには、自転車は「安全に」「速く」車道を走れなくてはいけません。
車の代替に使えなくては意味がないですからね。

そういうことをすっきりまとめた内容です。読む価値ありです。
思うに、
登山や自転車が健康や癒しのために流行るようになって、
逆にそのせいで事故が増える、ということもあるのではないかと。
登山はお金もかからないし、登るだけで簡単そうだからと気軽に始めると、
装備不足で怪我や遭難の憂き目に遭う人が多くなったような気がします。
自転車も、町おこしや観光産業のツールとして使うのはすごくいいことだけど、
観光地を楽しく「併走して」おしゃべりしながら走るとか、
写真を撮るために合図もせずに突然止まるとか、
(私もやってましたm(..)m スンマセン)
そういうクセを身に着けてしまうという弊害もあるような気がします。
登山にしろポタリングにしろ、
まず、ルールの徹底をすべきですし、
(こと自転車は軽車両ですから、道交法が絡んできます)
山や自転車を愛するなら、自らルールを説くべきだと思います。
いつぞや、ヒルクライムを終えたサイクリストたちが、
大山から左側通行で一列に降りてきた姿は、カッコイイし感動モノでしたよ。

とりあえず、自転車に乗ってる人、乗る可能性のある人、
そして自動車のドライバーにも、是非一読して欲しい本です。
by nasuka99 | 2009-11-18 16:30 | bike