「ほっ」と。キャンペーン
・・・あなたには今、和解をしたいと思っている人がいるだろうか?

こんな問いかけで始まる本を見つけた。
f0007926_16211774.jpg「あの人と和解する~仲直りの心理学~」
井上孝代 著 集英社新書 660円


エントリーの表題は、帯に書いてあったものである。「あの人」に心当たりのある私は、すぐに手に取り、パラパラとめくってみた。なかなか面白そうだったのでその場で購入。2時間もあれば読破できる分量であったが、どうしてどうして、内容は濃い。

著者は大学心理学部の教授。臨床心理士としてのカウンセリング経験や、家庭裁判所での調停印としての経験を交えて、「和解」というものの本質について著述している。キーワードは「トランセンド」。これは、ヨハン・ガルトゥング氏という平和学者が、国際紛争解決のために提案した方法で、「超越法」と訳されている。従来の「力ずくで勝った方が決める」「お金で解決する」「お互いの妥協点を見出す」ではなく、全く視点を変えて、両者ともに満足いく「win-win」で対立(コンフリクト)を解決しよう、というものである。そのために必要なのは、「共感」であるという。

戦争のような国際的な紛争も、宗教的な対立も、友人との喧嘩やお隣さんとのゴミ出しでのトラブルも、根っこは一緒、という視点に立つ。言われてみれば、戦争だろうがご近所とのトラブルだろうが、その主体は同じ「人間」である。戦争をする人々と、隣の奥さんのゴミに悩む私と、どこが違うのだろう??心の動き、喜怒哀楽、全て備えた同じ「人間」なのだから。つまり、誰かに腹を立てたり、憎んで許せないと思ったりしている気持ちの根源は、実は自分にあるのではないか、と問うことから始めるのだ。頭から、「あの国はオカシイ」「あの人とは価値観が違う」と決め付け、対話を避けようとする自分が、「共感」することから意識を遠ざけているのだと著者は指摘する。

戦争に巻き込まれ、目の前に拓けているべき未来を奪われて亡くなっていく子供たちを、いつも胸が痛くなる思いで見る。もしも、戦争をしている国のリーダーたちがお互いの違いを認め合い、共感し、妥協ではなくお互いの利益を損ねない新しいゴールを創造することができれば、この子達はきっと未来で輝いているだろう。同じように、個人同士の日常的なコンフリクトも、相手の思いに共感することが出来れば、親しみも湧き、クリエイティブな解決策を見つけることが出来るかも知れない。そのためには、コミュニケーションをとろうとする姿勢が必要なのだ。現代社会では、若者だけでなく大人たちも、人とコミュニケーションをとることを敬遠する傾向にある。争いとなれば尚更だ。喧嘩は気まずいし、気まずい相手と話し合うことには多大なエネルギーが伴う。関係することを避ける、無視するという方法でその場をしのぐことは出来るが、それはすなわち現実から「目を背ける」ことである。他人なら、背けて済むことも多いだろうが、もし相手が身近な人であれば、「見ない」わけには行かず、その対立は更に根深いものとなるだろう。しかし、対立を解消するためには、まず向き合わないといけないのだ。「トランセンド法」は、そのことを教えてくれる。

しかし、ここに問題がある。コンフリクトには、自分以外に一人以上の相手がある。自分は向き合おうと思っても、相手がそれに応じないことも多々ある。そこで、間に立ち、両者に「共感」を以て接することの出来る「メディエーター」(媒介者)が必要となることもある。卑近な例を挙げれば、離婚問題の時にお世話になる「調停員」がその代表かもしれない。今後導入される「裁判員」も、この役割を負うのが理想であると思う。彼らは、「同情」ではなく「共感」するのである。そして、その共感を相手同士に感じさせることが出来るよう表現するのである。

だから、私自身がメディエーターとなれるよう勇気を持たなければならないのだ。誰もがメディエーターとなれれば、きっと新しいゴールがあちこちに出来上がるだろう。国際平和、ご近所の平和、家庭での平和・・・皆根っこは一緒なのである。

本の締めくくりにこう書いてある。
『・・・(中略)「和解をもたらす人」とは、どんな人たちのことであろうか。きっと自分とも相手ともイマジネーション豊かな対話の出来る人であると思う。そして、時にそのコミュニケーションが途切れ、関係が絶望的に思えたとしても、希望を捨てず対話をして行こうと働きかける勇気を失わない人であろうとも思う。』(本文183ページより抜粋)

本の末尾に書いてある通り、和解には、特効薬も一件落着もない。いったん和解が成立しても、またどこから火種が起こるかわからない。著者は述べる。『和解とは、そのつど「私は(相手は)何を望んでいるのだろうか」と自分に問いかけ、相手に問いかけていく作業であり、そのプロセス』であろうと。結果が満足いくものにならなくても、そのプロセスを通ったということは、きっと次の和解につながるのではないかと思う。それがダメならその次へと。決して逃げない姿勢が、いつか私たちをすばらしい未来に導く。私はそう信じたい。そして、私は「対話者」であり続けたい、と心から思う。
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# by nasuka99 | 2005-12-04 17:25 | books
先日所用で岡山県の新見市に行った時、「明地峠」(あけちとうげ)という所を通りました。ちょうど紅葉のシーズンだったし、時間もあるし、ということで、峠にある「明地展望台」でちょっと休憩。展望台からは、↓のような中国山地大パノラマが満喫できます。
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そして、このような峠の展望台にはつきものの周辺案内絵地図。
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f0007926_1454558.jpgこの地図の左下の方に、「八つ墓村ロケ地」と書いてある場所が。周りが全て地名なので、この文字は浮きまくっているんですが、数少ないお国自慢のつもりなのでしょうか・・・1976年、萩原健一主演の「八つ墓村」ロケがここで行われた時には、なんと2000人の見物人が集まって、その後ロケ地ツアーでもにぎわったそうです。(その他、鳥取県映画のロケ地遍歴表はこちら。)
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# by nasuka99 | 2005-11-27 14:07 | fun
日本の中で、行ったことのある県を、その経県値の高さによって色分けしながら塗りつぶすことができるサイト「経県値&経県マップ」

私の経県値はこちら。経県地図は↓

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可視的な状況下で見ると、明らかに偏りがあるのがわかるな。
北陸、九州については消極的。暑いのと、雪深いのは苦手なのかも。
「泊まった」「歩いた」地域は、そのほとんどが趣味も含めた旅行。自由意志なのか、出張に代表されるような外的圧力が働いた結果なのか、そのあたりも何かわかれば面白いかも。
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# by nasuka99 | 2005-11-26 21:47 | fun