カテゴリ:essay( 5 )

「寒くなりましたなぁ・・・」
隣で信号待ちしていた彼の唇がそう動いた気がして、
あわてて微笑みを作りながらエエと言い、iPodのイヤホンを外した。
「昨日はあったかかったのにねぇ。」と彼。
「今日は昼から雪になるみたいですね。」そう答えながら、iPodの電源を切る。
目的地は、この信号を渡ってすぐの書店だし、ま、いっか。

「海まで行かれますか?」
ニット帽の下の目じりに明るいシワを寄せて、彼は私に尋ねた。
「イエ、そこの本屋です。」
「そうですか。ま、本屋は立ってますからなぁ・・・」
ちょっと意味不明な応答に反応を控えながら軽く笑うと、
「僕は、海まで行くんですよ。」
確かに、本屋の先の松林を抜けると砂浜だ。
さっきから、足を上げたり、ぐるぐる腕を回したりして落ち着かないのは、そういうわけか。
「走って行かれるんですか??ジョギング??」
わざと腕を振って走るマネをして聞いてみた。
目じりのシワを更に深くしてははは、と笑いながら彼は答える。
「イヤ、歩きですよ。さすがにこの年で頑丈はできませんわ。」

実は、ここに来るまでの路地で、3メートルほど前に彼が現れたときから気になってはいた。
青いウィンドブレーカー、足首のところで絞ったナイロンのパンツ、
高そうなジョギングシューズに、グレーと黒のツートンのスポーツ用グローブ。
ジーンズを履いた私と違って、いかにも「走っちゃうよ」風ないでたち。
信号が変わった。

「僕はね、いつも海まで行くんですよ。」
「毎日ですか?」
「イヤ、あまり雨が降って寒い日とかはね・・・。昨日はぽかぽかでよかったなぁ。」
(よほど昨日のお天気が恋しいらしい)
「まぁ、無理してもいけませんもんね。」
「うん、そう。・・・ちょっと遊ぼうと計画してるんでね。体を鍛えておかないと。」
書店の駐車場の縁石をまたぐと、彼はちょっと歩みを速めた。

このまま彼に着いて海まで歩いたら、
その"計画"とやらを聞き出すことが出来るんだろうか。
ゴルフ??いやいや、毎日歩いて鍛えてるくらいだから、もっと激しく山登り??
私の好奇心は、危うく彼の青い背中を追っかけそうになったが、ひと言、
「じゃ、お気をつけて。」とだけ声をかけた。
背中のまま彼は、ツートンカラーの右手をニット帽の横で振った。

その右手が、なんだかとってもカッコよかった。


《週3時間以上の運動習慣は、寿命を10年近く延ばす》
イギリスのキングズカレッジのチームが行った研究。
運動習慣についての質問紙と、白血球のテロメアを調べたところ、
週3時間以上の運動習慣がある人は、週16分程度しか運動しない人に比べて、
テロメアの長さ・・・つまり"寿命"が10年分長かったという結果が出た。
運動することでストレス解消にもなるんじゃないか、という分析も。
1日に換算すると約30分ですか。
頑張って動きましょう~(笑)

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by nasuka99 | 2008-02-12 15:25 | essay
「転職」ではありません(爆)

この頃、「天職」についてふと考えてしまっている。
プロのスポーツ選手や、役者さんを見るにつけ、
「この人たちは自分の好きなことを仕事に出来ていいなぁ・・・」とぼやいてみたり。
子供の頃から電車が好きで、
大人になったら絶対鉄道マンになるんだ!!!という初心を貫き、
JRに就職した知人のご主人。
高校生のときに思い立った、「宇宙飛行士になりたい」という夢をかなえた野口さん
こういう人たちはマジでスゴイと思う。
子供の頃から持っていた夢を叶えてしまう人なんて、一体どのくらい存在するんだろうか。

自分の趣味が仕事になればそれが「天職」なのかもしれないけど、
趣味であったものを金儲けの道具として使うことになれば気楽さもなくなる。
その時点で「趣味」ではなくなるのかもしれない。

一人でも多くの人を病気から救いたい、と思って医者になったり、
子供たちのよき指導者、そして相談相手になりたい、と思って教師を目指したり、
国をよい方向に導きたい、と思って政治家を志したり、
仕事を選ぶときには、皆それぞれ崇高な志があるんだと思う。
しかし、長年同じ職に就き、社会のヒエラルキーに飲み込まれてしまうと、
ただ無事に退職金をもらうため、あるいは権力のあるポストに就くため、
というように、目的が保身やお金にすり替わってしまうことも多々ある。
よい例が、某IT関連企業元社長である。
また、政治家の大半がコレであるようにも感じる。
その仕事を選んだときの意志を、最後まで貫く人がどれくらいあるんだろう??
という問は、先の「夢を叶える人」に対しての疑問と同じだ。

「天職」というのは、
自分が幸せになって、同時に他人をも幸せにするような仕事に就くことなんだろう。
そんな仕事にめぐり合える人って、世の中にどのくらいいるんだろう。

天職とまでは行かなくても、
自分の仕事が好きで、自信を持って仕事に就いている人たちは、
その仕事に対する創造性がすごく豊かだと思う。
ルーチンワークをこなすのではなくて、
あらゆることにアンテナを張って、得た情報を仕事に生かしている。
その過程で、もちろん他者とのコミュニケーションが必要だろうし、
だから自ずとネットワークも広がる。
それが、人間性に深みを与えるんだと思う。

人間、一生の大半を仕事をして暮らすのである(もちろん主婦や主夫も含めて)。
出来れば、楽しくやりたいと思うのが人情だ。
でも、仕事をするのは自分であり、決して他人ではない。
他人は、自分の仕事を楽しくはしてくれない。
楽しく仕事をしようと思ったら、自分がその仕事に楽しさを見出すことが必要なのだ。
「天職」とは、自分が仕事を楽しもうと思ったときに、手に入るものなのかも。

ということは、もしかしたらその辺に「天職」が転がってるかもね(笑)
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by nasuka99 | 2006-11-01 13:31 | essay
「ミラクル5歳、英検準2級合格」・・・1月14日 Yahooニュース

こういう記事を読むと、確かに早い方がいいのかなぁ・・・などと思ってしまいますが、本当のところどうなのでしょうか??先日の朝日新聞にも、小学校から英語教育を義務化する文科省の動きに物申す、みたいなコラムが載ってたし。ちゃんとした英語を教えることの出来る教員の育成にもお金がかかるだろうし、かといって、教え方によっては逆に早くから英語嫌いになる可能性もあるし。

確かに、インターネットの世界でも、情報の9割は英語で配信されていたり、大学に行って学術論文を読むのにも英語は必須、インターナショナルなビジネスマンになろうと思ったら、英語で気の効いたジョークの一つでも飛ばせないとね、って気もするし。勉強はすべきだと思うけど、他の基礎科目をさしおいて、小学校から取り入れるべきなのかどうかはちょっと疑問。

と言うのが、実はワタクシ、昨年2ヶ月くらい英会話講師のバイトをしていたんですよね。対象は、幼稚園から中3までの子供たち。延べ100人以上は教えたでしょうか・・・中には、小学校4年から中学校2年まで5年もやってる子供もいたんだけど、こう言うと悪いけど、ほとんど解ってないんですよね・・・それに、教えてた100数名の子供の中で、英語がしゃべれる子ってほとんどいませんでした(笑)。私がゆっくり言う英語でも聞き取れない子もザラだったし(私の発音が悪いって??)ほとんどの子が、2年以上はやってるんですよね。なのに・・・って感じで、早期英語教育って、本当に有効なのかなぁ???と疑問に思ったわけです。

ところが、アメリカ人と結婚してアメリカにいる私の友人、4歳になるお子さんがいるんですが、英語はもちろんだけど、ちゃんと日本語もしゃべるんです。家でも日本語を聞かせているし、子供が2歳だった時、4ヶ月くらい日本に滞在してしっかり日本語環境に置いてるんですよね。要は、毎日聞いたりしゃべったりしないと意味ないんじゃない??みたいな。

小さい子どもは理屈よりも発音とイメージで覚えるから、反復が重要だと思うんです。だから、週に一回英会話教室に通ってたって、よほどモチベーションを高く持たない限りは伸びないんじゃないか、と思ったりします。だから、ヘタに英会話学校に行かせるより、いっぺん留学させた方が随分効果があるんじゃないかと。

というわけで、日本語もおぼつかないうちから、週1回1時間英会話学校に通わせるより、ある程度理屈を理解できるようになる年齢になった時に、文法からしっかり教えた方がいいんじゃないかなぁ??と思います。英語に慣れるだけだったら、DVD観たり、英語の歌歌えば済むことのような気もするし。

結論としては、子供をバイリンガルにさせたければ留学させましょう!!!ってとこですかね(笑)
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by nasuka99 | 2006-01-15 16:37 | essay
先日、国土交通委員会の中継を見ての感想。
例の「骨抜きマンション」問題についての参考人質問で、姉歯建築士の図面に疑問を感じたアトラス設計の渡辺氏がそれを指摘したという件について、国会議員からなんだか渡辺氏を非難するような質問が続々と出る。「建築士は、法を遵守しようという気持ちがないのが普通か??」とか、「あなたがその時もっときつく止めていたら、こんな事態にはならなかったのでは??」とか。見てて気の毒で。渡辺さん、きっとこの後心の病になるのではないかと。カウンセラーに、きっちりフォローして欲しい。

根本的な問題を見ずに、あなたがああだったからとかあの時こうしなかったから、とか言って責任転嫁するのは政治家の常套手段。質疑応答を聞いていても、全く論理的ではない質問が繰り返される。やたら情動に訴えかけるような、浪花節的な質問が多くて、これで本当に事実関係が明かになるの??って感じ。国会も含めて、このような政治家のうやりとりは、全く論理的でも批判的でもない。子供同士の喧嘩で、終いには「オマエのカァちゃん、デベソ~~!!!」と言うようなイメージだ。この人たち、もっと議論や討論というものを訓練してから政治家になればいいのに。まっとうに不正を正そうとした一般人が、これではあまりにも気の毒だ。

自分が質問されたら「記憶にありません」と答え、参考人がはっきりしないと「こんなことを覚えてないなんて、あり得るのか??」と詰め寄る。見ていてツッコミしまくりたくなる。デジタルの双方向機能で、モノイイを付けるシステムにしてくれないかな。視聴率上がるかも(爆)
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by nasuka99 | 2005-12-10 15:14 | essay
何人もの幼い命を犠牲にしてるのに、まだまだ起こる悲惨な事件。広島での悲しみが尽きないうちに、更に栃木でも幼い命が絶たれてしまった。不審者の報告は以前からあったという。何故、対策は後手後手に回ってしまうのか・・・。

子供たちを狙うのは、やはり変質者としかいいようがない。そして、彼等彼女等は、子供が無防備になる隙を伺っている。対して、保護者をはじめ周りにいる大人は、日々忙しく、急な用事でも入ったりすると、四六時中子供と一緒にいるわけにも行かない。栃木の事件でも、いつもは迎えに来る祖母が、たまたま他の用事で行けなかった、その隙をつかれた。身内も学校関係者も、あの時迎えに行けば、一人にさせなかったら・・・と身を裂かれるような後悔をしていらっしゃると思う。しかし、事件というのは「スキ」を狙って起こるのだ。

それならば、隙を作らないようなシステムを作ればどうだろう?
小学校低学年が狙われる事件が相次いだが、この年齢は確かにダークゾーンなのだと思う。
小学校でも、中学年以上になるとある程度分別もつくし、自己主張も出来るし、抵抗できる力も備わる。また、保育園や幼稚園児は、保護者が送り迎えしたり、幼稚園バスでの送迎があって一人になる隙がない。小学校1年生というのは、まだまだ幼稚園の無邪気さが残り、無防備で、抵抗するほどの自己主張ができない歳である。それでいて、登下校時一人にならざるを得ない。

それならば、スクールバスを運行してはどうか??
幼稚園児が狙われる事件が少ないのは、バスでの送迎が大きなポイントのように思える。行政が支援して、人気のない通学路だけでもいいからスクールバスを運行させればいいと思う。くだらないことに遣ってる税金が山ほどあるのだから、日本の未来をになう子供たちを守るために、バスを運行するというのは非常に有効な税金の遣い方だと思う。

政治家やお役人の皆さん、
本気で子供を守りたいならそれくらい簡単でしょ。
通学路の安全は、国を挙げて確保しようよ。
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by nasuka99 | 2005-12-05 12:07 | essay