四枚カード問題

さて、
下に描いてある4枚のカードには、全て片面に数字が、もう一方の面にはローマ字が書いてあります。「もし、カードの片面にローマ字の母音が書いてあれば、その裏面の数字は偶数である」というルールが成立しているかどうかを調べるためには、最小限、どのカードをめくってみればよいでしょうか??

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Johnson-Laird and Wason(1970)

これは、「四枚カード問題」と言われる有名な心理学実験の問題なのですが、さて、あなたはどれを選んだでしょうか??Johnson-LairdとWasonが、イギリスの大学生対象に行った実験では、正しい解答を選んだ学生はわずか4%だったそうです。

この問題は、私たちがある事柄を推論する時に、いかに表向きの「正しさ」のみに目が行くか、ということを示しています。つまり、私たちは肯定された事柄にまず目が行きやすく、本来ならその反証(否定的な事柄)も併せて推論すべきところをついつい怠けてしまう、ということを現しているのです。このように、仮説に合う事柄ばかりに目が行き、その反証を考えない傾向を「確証バイアス」と言います。大学の教授は皆信用できるから、教授と名のつく人が考え出した健康法は皆正しいだろう、というような推論は、まさに確証バイアスです。「オレオレ詐欺」などは、人間のこのような心理状態を利用するのでしょうね。

それでは、次の問題はどうでしょう?

「もし、封がしてあったら80円切手を貼らなければならない」というルールがあります。郵便局員になったつもりで、最低限下の画のどの封筒をひっくり返して調べたらよいか考えてみてください。
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一つ目のローマ字と数字カードの問題は、正しい答えは「Aと5」です。
しかしながら、多くの学生さんは、「Aと4」(46%)または「A」のみ(33%)と答えました。
このルールを確かめるには、Aの裏は当然調べなければなりません。ルールの文面からは、子音と奇数の裏は何であろうとも構わないということが伺えます。しかし、もし「5」の裏が母音だったら、このルールは成立しないことになります。ですから、「5」の裏も調べる必要があるのです。これが「反証」に当たります。

二つ目の封筒の問題は、封をしてある1番と、50円が貼ってある4番をめくるのが正しい解答です。こちらの問題は、考え易くなかったですか??実験でも、カードのみの問題と違って、こちらの問題では正答者が83%に上ったそうです。同じ性質の問題なのに、4%と比べてこの格段の差。これは、事象が実生活に密着していると考え易くなる「課題素材効果」という現象だそうです。数字だけ並べられて推論を迫られることがあったら、それを実生活の場面に置き換えて考えてみると、正しい答えが導けるかもしれませんね。
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by nasuka99 | 2005-12-07 12:42 | psychology