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そのとき、アナタはどうする??

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数週間前になりますが、車で買い物に出かけたときのこと。
交差点の右折レーンでタイミングを見計らっていたところ、
道路の右側の歩道の、横断歩道のすぐ手前に、
かなり高齢の男性がうずくまっていました。そのすぐ脇にはいわゆる老人車が転がっています。
おそらく、躓いたか何かで転倒されたのではないでしょうか。
高齢になると、一度転ぶとなかなか起き上がることができないものです。
彼も、同じ姿勢で、しりもちをついたままじっと座り込んでいました。
確かに、歩道を歩く人は多くはないのですが、目の前にはローソンもあるし、
誰か助けてあげてもよそさうなもんです。
私が車の中でなかったら、きっと声くらいかけてあげるのに、とひとりあせっていました。
結局、彼はなんとか横断歩道の段差の所までやってきて、
そこに腰をおろして一息ついておられましたが・・・
でも、横を車がびゅんびゅん通るのに、なんだか危なっかしい(^_^;)

こういう光景を見ると、人間って冷たいなぁ・・・と思いがちなんですが、
実は、「傍観者効果」という現象が、心理学では確認されています。
アメリカである女性が、住宅街の中で殺害されると言う事件が起こりました。
そのとき、女性が助けを求める声を近隣の住人40名ほどが聞いていたのですが、
誰一人助けに出る人はなく、それどころか、警察に通報した人もいなかったとのこと。
あまりにもショッキングな出来事だったので、
おそらく「モラルの低下」だけではないだろうと、
心理学者たちはこの現象の理由を解明するためにある実験を行いました。

大学生を被験者に、ある討論に参加してくれと誘い、一人ひとりを別々の部屋に通します。
マイクだけを設置して、お互いの姿は見えないようにします。
討論が進む中、グループのうちのひとりが、突然「発作」を起こして苦しみ始めます。
様子が変だと思いつつも、他のメンバーは、立ち上げってその人の様子を見に行こうとか、
そういう行動は起こさないのです。
もちろん、発作の人はサクラなのですが、
このあと別の実験で、突然煙が出てきて部屋に充満しそうになるというのを行っても、
部屋にいた被験者誰一人騒ぎ出さなかったらしいです。
おそらく、「他の人が誰も騒がないから」ということで、皆がそれに同調した結果だろう、
と言われています。
そして、この現象は、グループの人数が多くなるほど傍観者が増えるという結果を得ています。

確かに、自分がひとりしかいないときに目の前で誰かが倒れたら、
「大丈夫ですか??」と駆け寄りますよね。
でも、雑踏の中で誰かが倒れても、その周りにサーーーッと空間が出来るのではないでしょうか(笑)
こういうときに、特に何も深く考えるわけはないので、
おそらく、本能と言うか、人間の素の反応が、「周りに同調する」ということなんでしょうね。

特に、周りが知らない人ばかりだと相談も出来ないし、
何かあったときに、傍観者を決め込まれても困ります。
やはり、普段から、他人に声をかけたり、とっさの時には自分が動く、という習性を身につけておかないと、
いざと言うときに助け合うことができないような気がします。
子どもを巡る犯罪も多く報道される昨今、
「傍観者効果」を乗り越えて、助け合いの精神を持ちたいものですねぇ。
by nasuka99 | 2009-02-20 11:51 | psychology